
初診日時点で国家公務員であった方は、請求先は国家公務員共済組合連合会(KKR)となります。
具体的には、各省庁の国家公務員のほか、国立病院機構の職員や看護師、郵便局員、自衛隊員、国会職員、刑務官や入国警備官などの法務省職員、労働基準監督官が対象となります。
請求書類一式は直接国家公務員共済組合連合会から取り寄せる場合が多いですが、初診日が平成27年10月1日の「被用者年金一元化法」施行前である場合は、所属先(既に退職している場合は最後に在籍していた)の総務部・人事課等から取り寄せるケースがあります。在職中は現在の職場の人事部から取り寄せを行うケースがあります。書類が全て揃ってからの請求時も同様に国家公務員共済組合連合会へ直接提出の場合と、所属先の人事を経由する場合があります。自衛隊員は以前は自衛隊の部隊等に置かれる支部での取り寄せでしたが、令和8年4月以降は防衛省共済に一本化されました。メールフォームから概要を入力し、先方からの連絡を待つことになりますが、連絡がつくまでに1週間程度かかるケースがあり、電話も大変つながりにくいため初回の連絡は難航するケースがあります。当事務所でも令和8年4月になってから初めて手続きを行う場合は連絡がつくまで時間がかかりましたが、担当直通の電話番号入手以降はスムーズになりました。
国家公務員共済組合連合会(KKR)の審査の特徴
国家公務員共済の障害年金は、日本年金機構が取り扱う障害年金と比較すると、実務上は柔軟な判断がなされるケースがあります。
例えば、初診日の認定では、カルテが残っていない場合に提出する第三者証明が採用される可能性が比較的高い印象があります。また、精神疾患による障害年金では、一般企業等でフルタイム勤務を継続している場合であっても、診断書や病歴・就労状況等申立書の内容から日常生活や就労上の支障が十分に認められれば、3級以上の障害等級に認定されることもあります。
一方で、国家公務員共済には独自の書類提出ルールが設けられている場合があります。
代表的なのが認定日請求を行うケースです。障害認定日から請求まで5年以上経過している場合には、障害認定日時点の診断書だけでなく、「請求日の5年前」を基準とした前後3か月以内の診断書の提出を求められることがあります。そのため、現症の診断書・障害認定日時点の診断書に加え、この5年前基準の診断書が必要となり、合計3通の診断書を準備しなければならないケースも少なくありません。
例えば、初診日が平成20年4月1日、請求日が平成30年6月1日であれば、障害認定日は平成21年10月1日となるため、この日を基準とした診断書が必要になります。さらに、請求日の5年前である平成25年6月1日前後3か月以内の診断書の提出を求められる場合があり、その結果、診断書が3通必要となることがあります。(「請求日の5年前」というのが厄介であり、請求時期がいつになるかを見計らって日付を指定する必要があります。)

このように、国家公務員共済では日本年金機構の障害年金とは必要書類や審査実務に違いがあるため、請求方法を誤ると本来不要な手戻りが生じることもあります。事前に制度の違いを理解した上で準備を進めることが重要です。
※請求日から5年前の日付の前後3か月以内の診断書に関しては、診断書の記載内容が認定日又は請求日時点のものと同等である場合は、その旨をいずれかの診断書の備考欄等に記載することで当該診断書の作成を省略することが可能になるケースがあります。
追記:令和6年4月25日
令和4年5月以降の請求では、上記の3枚目の診断書を求められることは無くなり、障害認定日から5年以上経過していた場合でも診断書は2枚で済む様になっています。
また、所属先によっては病歴・就労状況等申立書の他に「日常生活に関する申立書」の提出を求められるケースがあります。
初診日を証明する書類についても日本年金機構とは運用が異なる場合があります。
例えば、最初に受診した医療機関でカルテが廃棄されており受診状況等証明書を取得できず、現在受診している2番目以降の医療機関で診断書を作成してもらうケースでは、日本年金機構への障害年金請求であれば、その医療機関の受診状況等証明書は通常不要です。
しかし、国家公務員共済では、診断書を作成する医療機関の受診状況等証明書についても追加で提出を求められることがあります。そのため、日本年金機構と同じ感覚で書類を準備すると、不足書類として追加提出を求められるケースがあります。
また、国家公務員共済では、「年金加入期間確認通知書」など、日本年金機構の障害年金請求では必要とならない書類の提出を求められることがあります。加入していた共済組合によって必要書類が異なる場合もあるため、請求前に必要書類を十分確認しておくことが大切です。
審査期間については、日本年金機構と比較して大きな違いはなく、支給決定通知まではおおむね2.5~3か月程度が目安となります。一方で、支給決定後の入金は比較的早く、通知から約1週間程度で共済年金部分が振り込まれるケースが一般的です。
なお、2級以上に認定された場合は、障害基礎年金は日本年金機構から別途支給されます。この基礎年金部分は、国家公務員共済からの支払いとは別のスケジュールとなるため、通常は共済年金部分の入金からさらに1~2か月程度後に支払われます。
受給決定時に届く年金証書
認定された場合、下記のような年金証書と年金支払通知書が届きます。(当事務所で実際に請求し認定された方のものになります。)



